ブランディングデザインとは?作り方や成功事例を紹介!

ある商品の購入を検討するときに、選択肢が多すぎて悩んでしまったという経験は誰にでもあるでしょう。

特定の理由で選ばれたものは、もっと良い商品が出ると選ばれなくなることもあります。
たくさんいるライバルの中から選ばれ続けるには、ブランディングデザインが欠かせません。

この記事では、ブランディングデザインの目的やメリット、成功事例について紹介していきます。
ぜひ、最後まで読んでブランディングの参考にしてください。

目次

ブランディングデザインとは

ブランディングデザインとは、ターゲットにしているお客様に対して商品のコンセプトや伝えたいメッセージを目で見える形の情報で伝える方法です。

視覚から情報を伝えることで、年齢や言葉に関係なく、より多くの情報を伝えることができます。
ここからはそもそもブランディングとは何なのか、その目的とメリットについて説明していきます。

ブランディングの目的

ブランディングとは、会社や商品、サービスなどのコンセプトを明確にして「誰に伝えたいか、どんな場面で使って欲しいか、どんな価値があるのか」を、お客様にわかりやすく伝えることです。

ブランディングが出来て初めて「〇〇と言えばこれ(商品)」「〇〇するならここ(会社)」というように数ある類似商品の中から選ばれる商品になります。

ブランディングに成功した場合のメリット

ブランディングに成功すると、次のようなメリットがあります。

  • ライバル会社との差別化ができる
  • 過剰な広告宣伝費がいらなくなる
  • ファンになってもらい選ばれ続ける
  • 値下げ競争から抜け出せる(必要以上に安くしなくてよい)
  • 商品開発や顧客サービスなどにコストをかけられる

ブランディングには、ライバル会社との差別化をしてオンリーワンの存在になることで、長く選ばれ続けるというメリットがあります。

ブランディングが成功すれば、もう多額の宣伝費を使う必要がなくなります。
その分の資金を新商品の開発やお客様へのサービス向上に使うことができるので、ブランド力アップが期待できます。

ブランディングの中でのデザインの役割

ブランディングデザインとは、ブランドのロゴや広告、Webサイトやチラシなどお客様に見せるデザインを統一することで、デザインがメッセージを発信してくれます。

すべての視覚から入る情報が、お客様との接点になります。
商品のパッケージやパンフレット、チラシ、名刺、実店舗の空間もブランディングデザインとして機能します。

人は7割〜8割を目から入る情報に頼っています。
視覚的な情報は、脳に伝えるスピードや情報量、インパクトなどは文字情報の比ではありません。

つまりデザインは、たくさんの情報を一気に伝達できる超効率的なコミュニケーションツールなんです。

成功するブランディングデザインの作り方

ブランディングデザインを成功させるには、まずブランドの現状を把握することが必須です。
コンセプトやターゲットを確実なものにすることが最優先です。

それから市場調査をして客観的に自社の立ち位置を確認して、現状と理想のズレが少なくなるよう修正していきます。
このプロセスで大事なことは、ブランドの中心であるコンセプトを前面に出すことです。

ここからはコンセプトの引き出し方と、デザインのポイントなどブランディングデザインを進めていくプロセスをご紹介します。

1.キーワードの抽出

まずは、ブランドのコンセプトを引き出してデザインを作るための重要なポイントである「キーワード」を決めていきます。
抽象的なコンセプトもキーワードを決めることで、より具体的になります。
そうすることで、スタッフ間で共通のイメージを持て、デザインを作るプロセスで、作業や指示がより具体的にできるようになります。

キーワードを決めるときは、アイディアを出し合い、詳細に調べることが必要です。その後でたくさん上がった候補の中から基本になるものを探り当てましょう。

この作業がブランディングコンセプトを引き出すスタートになります。

2.ブランドコンセプトを明確化する

キーワードが決まると、ブランドコンセプトを引き出すヒントが得られます。
そうしたら次はコンセプトを作っていきましょう。

それは、シンプルに表すことでより強いメッセージとなって伝わるからです。

例えば「ず〜っと赤い。ず〜っとおいしい。」をコンセプトに、つくりたての醤油の色「明るい赤」=「鮮度の証」として、醤油の鮮度と美味しさを視覚的に伝えるためにお皿に注いだ醤油をアイコンにデザインしている。

このように、ロゴデザインをはじめ、展開商品すべてのデザインをブランドコンセプトをベースに作っていきます。

3.デザイナーにコンセプトを的確に伝える

デザインをただ新しいものにするのでは、ブランディングデザインにはなりません。
ブランドの基本となるコンセプトを、デザインしてメッセージとして伝わらなければ無意味なのです。

ですから、デザイナーにはブランドのコンセプトを正確に理解してもらわなければいけません。

デザインを発注するときは、キーワードに合わせた色味や書体、画像などデザインを構成する要素を決めたり、ヒントになる参考サイトや素材集めをしたりすることも大事。

これをすると、お互いのイメージをすり合わせやすくなります。

ブランディングデザインの成功事例

ここからは実際に、ブランディングデザインを行った会社の成功事例をご紹介していきます。

ユースキン

発売から60年以上のロングセラー商品である「ユースキンA」ですが、販売市場の状況が変化している中でも、長く愛されるブランドとなるようリブランディングを行いました。

企業ブランドと共に、製品ブランドのリブランディングを実施。
企業ブランドでは、社名の由来「あなた(YOU)の肌(Skin)のために」をコンセプトに設定。

ロゴデザインは、元々のデザインを活かしながら、現代的な優しい印象になるよう生まれ変わりました。

製品ブランドも名前を一新。それぞれのコンセプトも新しくなりました。

ユースキン・・・・・「治す!みんなの手荒れ。」
ユースキンシソラ・・「シソのチカラで、負けない肌へ」

容器のデザインも変更され、より手に馴染む柔らかいフォルムでユースキンの新しい形の定義を生み出しました。
また色もこれまでの主要カラーを継承しながらもブラッシュアップし、オレンジ・ディープベージュ・ベージュの3色のカラーを採用。

容器と外側の箱はすべてに共通する、この3色の色の構成でブランドイメージを強化しています。

「2020年度グッドデザイン賞」受賞、「2021日本パッケージコンテスト」トイレタリー部門賞受賞を受賞しており、ブランディングデザインの成功事例と言えるでしょう。

キリン 生茶

キリンビバレッジでは、2009〜2011年にかけて「生茶」のデザインをリニューアル。デザインコンセプトを「原点回帰」として、「生茶葉抽出物による新しい緑茶」というポジションを再確認しながら進めました。

「生茶クリアグリーン」をカラーコンセプトに、パッケージデザインを変更。
一枚の葉っぱとしずく、緑のグラデーションのシンプルなデザインに変え、美味しさと現代感の両立を狙ったデザインにしています。

2010年には販売10周年を迎え、ボトルデザインを一新。ボトルの肩の曲線を柔らかな印象にした。

さらに新たに発売された「生茶朝のうるおいブレンド茶」のデザインと共に、2つの生茶で「現代茶」へと進化した強力なブランド展開を始めました。

AWARDS 2009年「日本パッケージングコンテスト」飲料包装部門賞受賞、AWRDS 2010年「日本パッケージデザインコンテスト大賞」入賞、AWRDS 2011年「年鑑日本のパッケージデザイン」入選を受賞し、リブランディングデザインの成功事例と言えます。

ドトールコーヒー

ドトールコーヒーでは、外資系カフェチェーンの台頭で厳しい競争環境の中、長年定番商品として販売していた「Doutor Liquid Series」の活性化のためにブランディングを行いました。

「Doutor Liquid Series」は中身と色の美しさが一目でわかるよう、シンプルに液体色を背景にしたデザインを採用。

また数量限定で発売された新商品ブランド「Premium Beans Selection」の#1〜#6(2007年モデル)と「Premium Beans Selection」#7〜#12(2008年モデル)のデザインも担当しています。

「Real Beans」をコンセプトに実際のコーヒー豆とベースカラーを組み合わせたパッケージデザイン。

これらをたくさん並べて陳列することで、店頭ディスプレイがインテリアデザインとしても機能するようデザインの統一感を追求しました。

2008年にPENTAWARDS 国際パッケージデザインコンペティション銀賞・ 国際パッケージデザインコンペティション銅賞受賞。2009年には、PENTAWARDS 国際パッケージデザインコンペティションで金賞を受賞しています。

こちらも、ブランディングデザインの成功例と言えるでしょう。

まとめ

商品や情報があふれる現代社会で、お客様のニーズに合う他には無いものを見つけることはとても難しいでしょう。
ですが誰かの唯一無二になり選ばれ続けるには、ブランディングは不可欠です。

ブランディングデザインは、形や見た目だけでなく商品に込めた思いを発信するツールです。

ブランディングをする際には、ぜひデザインにもこだわり、コンセプトが効果的に伝わるメッセージを込めたデザインを実践してみてください。

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